先日受講した講演会で、ある大手アパレル企業のU社長が「社会の変化は企業にとって千載一隅のチャンス」とおっしゃっていたことが印象的でした。「企業は社会が安定している時には変われない、だからこそ、社会が変化する時が企業を変革させるチャンス。」というお話でした。
確かに、私たちは安定した状況下に安心を抱き、そこに変化を加えることに二の足を踏んでしまう、ということがあるように思います。特に事が順風満帆に進んでいる時には、変化を加えることに恐怖すら感じてしまうかもしれません。
経営者は常に、会社を存続させるために何をすべきかを考えていますし、会社が成長し続けるためには新たなことに挑み続けるべきことも痛いほどわかっています。しかし、安定した社会で順調に業績を伸ばせている状況では、どうしても保守的な思考に流れ、変えることに躊躇してしまい、変革の一歩を踏み出す決断が鈍ることもあるのではないでしょうか。
この順風満帆な状況がいつまでも続くわけがない、順調なうちに次の手を打つべきだ、おそらく多くの経営者の方がそう思っていることでしょう。ただ、社会全体が穏やかだと、何が有効な変革となるのか、また、変革を行った先にある未来がどうなるかが想像しづらいため、行動に移すための決定打がなかなか見つからないかもしれません。
ところが、ある日突然、世の中に危機が訪れ、その影響により社会情勢が大きく変わり、この「安定した状態」が一遍したとするとどうでしょう。そこに迷いは一切無くなるはずです。ましてや、変革に踏み出さないと会社の存続すら危ぶまれる可能性があれば、もう待ったなしです。迷っている暇さえありません。これはつまり、変革を目指している企業にとっては、社会が変化する時こそ行動に出る絶好のチャンスだと言えます。
1973・1979年のオイルショック、1991年の土地バブル崩壊、1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックと、社会に大きな変化をもたらす出来事は、おおよそ10年ごとに起こっています。逆に言うと10年に一度しか起こりません。つまり、10年振りに訪れた2020年のコロナ禍は、まさに千載一遇のチャンス到来ではないでしょうか。
弊社が推奨するインシデント対策も、会社の変革によって、経営の安定化と成長を目指すものですから、今回の社会情勢の変化は、インシデント対策に打って出るうえでも、10年に一度の好機と言えるのかもしれません。
ましてや、今回は、一部の国や地域、業種に留まらず、全世界、全業種が影響を受けるような社会現象ですから、会社が変革に打って出ることを妨げる障害物は非常に少なく、変革を後押ししてくれる力もこれまでの比ではないでしょう。
世の中に変化をもたらしているこの大きな流れを感じていない方はいらっしゃらないと思います。既に変革に着手している方も大勢いらっしゃるかもしれません。そんな今だからこそ、あなたも変革に挑んでみてはいかがでしょうか?
変わるか、変わらないか、あなたはどちらを選びますか?
株式会社ライターム
コンサルティング事業部