前回コラムを簡単におさらいしますと、

・DX推進ができない、うまくいかないという中小企業が多くいる。
・その多くの原因がDX(IT)人材がいないという結果になっている。
・DX推進において単純にITに詳しい人がいればうまくいくわけではない。

という内容をお伝えいたしました。

 今回は、DXの推進に必要となる知識体系についてご説明いたしますが、その前提としてDXを推進するうえでの大枠のプロセスを理解していただく必要があります。

 DX推進は経済産業省が定義している通り、最終ゴールは「ビジネスモデルの変革、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革」となりますので、DX推進プロセスの概要は以下のように定義することができます。

【DX推進プロセス概要】
1.経営者のDX理解、推進表明
2.社内組織・環境の整備
3.経営戦略の明確化(事業の全体像から優先順位や将来像を定義)
4.既存事業のデジタル化(デジタイゼーション・デジタライゼーション)
5.デジタルトランスフォーメーション(変革)

 この推進プロセスを正しく理解し、遂行できる知識がDXの推進に必要な知識体系といえます。そして、その知識体系を紐解くと以下のようになります。

DX推進プロセス概要必要な知識体系や行動・意識
1.経営者のDX理解、推進表明・会社のビジョン/将来像の明示
・社員の共感
2.社内組織・環境の整備・会社(風土、組織、業務)の知識
・必要な人材の確保
・確実な推進方法の知識
3.経営戦略の明確化(事業の全体像から優先順位や将来像を定義)・現状の見える化、改善ポイントの見つけ方の知識
・ゴール設定と道筋の立て方の知識
4.既存事業のデジタル化(デジタイゼーション・デジタライゼーション)・正しいITの使い方の知識
・効果測定方法の知識
5.デジタルトランスフォーメーション(変革)・外部環境や将来性の見極め

 この知識体系や行動・意識において、弊社では、「1.経営者のDX理解、推進表明」は経営者が持つべきもの、それ以外はITコンサルタントが持つべきものと定義しています。

 ITコンサルタントとは、一言で言えば、「ITを活用して企業の課題を解決する専門家」ですが、それには、現状の事業分析、IT化戦略立案、IT導入、効果見積・検証を正しく実現できる知識体系を持った人材である必要があります。

 弊社にご相談に来られる多くの方の失敗例として、分析、戦略、効果見積・検証もなく「とりあえずIT導入をやってみる」というケースがあります。例えば、とりあえずペーパーレス化をするために電子契約システムを導入するというもので、電子契約システムを導入したものの従来のワークフローに適応できないケースが多々あり、結果、紙と電子の混在となり逆に業務が複雑化してしまう、コストだけ増えて全く有効活用ができない、といった具合です。これでは全く意味がありません。

 このような結果になってしまうのは、単純にITに詳しいだけの人材にすべてを丸投げしてしまうからです。正しい、DX推進のプロセスを理解し、必要な知識体系を持って推進すればこのような失敗は間違いなく発生しません。

 弊社はこのDX推進のプロセスを重要視し、必要な知識体系のコンテンツを提供することにより社内にITコンサルタント相当の知識を根付かせるサービスを提供しています。

 ITコンサルタント相当の知識を得るのに、必ずしも社内にIT人材がいなくても大丈夫です。不足しているIT知識はDX推進指針やセミナー、専門家など外部の支援施策を活用すれば十分に補うことができます。DX推進においては、まずは、このIT知識以外の知識体系が非常に重要になることをご理解いただくことが成功への第一歩となります。

 弊社サービスの「社内ITコンサルタント養成サービス」にご興味がある方は無料相談会も実施しておりますので、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

株式会社ライターム
コンサルティング事業部